ハロー効果以外にも?採用面接で起きるバイアス総まとめ

採用面接で起きるさまざまなバイアスを場面ごとに整理するイメージ
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「経験豊富な面接官なら大丈夫」とは限りません

面接経験を重ねても、判断の偏りがなくなるとは限りません。経験に基づく自分なりの人物像が、気づかないうちに候補者を見る基準になることもあります。今回は、採用面接で特に意識しておきたい代表的なバイアスを、起きる場面ごとに整理します。

①「順番や比較」で評価が変わるバイアス

まず意識しておきたいのは、候補者を一人ずつ独立して見ているつもりでも、実際には前後の並びに影響されやすい、ということです。

そのひとつが対比効果です。直前に印象の強い候補者と会ったあとだと、次の候補者が実際以上に見劣りしたり、逆に良く見えたりすることがあります。たとえば、とても優秀な人の直後に面接した候補者は、平均的な力があっても物足りなく感じられてしまう、というようなことです。評価しているのはその人自身のはずなのに、比較対象によって印象が動いてしまうわけです。

もうひとつが、初頭効果と親近効果です。これは、面接の最初や最後に得た情報が、記憶や評価に強く影響する傾向を指します。序盤の受け答えで抱いた印象が、その後の回答の受け取り方を方向づけてしまうこともあれば、逆に、面接の終わり際のやり取りが評価に強く残ってしまうこともあります。

こうした偏りは、候補者の受け答えの内容だけでなく、情報を得た順番や前後の比較によっても生まれます。だからこそ、気づきにくいとも言えます。

②「評価の甘辛」に表れる面接官のクセ

次に取り上げるのは、厳密には認知バイアスというよりも、面接官ごとの「評定傾向」や「評価のクセ」と呼ばれるものです。同じ候補者を見ても、面接官によって点数のつけ方には差が出やすいものです。

全体的に甘めの評価になりやすい傾向を寛大化傾向、逆に辛めになりやすい傾向を厳格化傾向と呼びます。「この程度なら悪くない」と受け取る人もいれば、「まだ物足りない」と感じる人もいて、同じ受け答えでも評価が分かれることがあります。

また、極端な評価を避けて、無難に真ん中あたりに寄せてしまう傾向は中心化傾向と呼ばれます。はっきりと差をつけることをためらった結果、多くの候補者が似たような点数に収まり、本来の違いが見えにくくなってしまうことがあります。

こうしたクセがあると、複数の面接官がつけた点数を、そのまま横並びで比べるのが難しくなります。「面接官Aがつけた4点」と「面接官Bがつけた4点」が同じ意味とは限らないからです。評価がばらつく前提を踏まえておくことが、点数の読み方を誤らないうえで大切でしょう。

③「事前情報や属性」に引っ張られるバイアス

三つ目は、面接そのものより前の段階で得た情報や、候補者の属性に評価が引っ張られてしまう偏りです。

そのひとつがステレオタイプです。ここで問題になるのは、年齢や性別、出身、学歴といった属性から、その人の能力や働き方を推測してしまうことです。同じ属性に属していても、一人ひとりの経験や特性は異なります。職務に必要な能力や行動は、属性ではなく、候補者本人の回答や具体的な経験から確かめることが大切でしょう。

もうひとつがアンカリングです。これは、最初に得た情報が判断の基準となり、その後の評価がその方向に引き寄せられる傾向を指します。たとえば、履歴書の印象や紹介者からの評価、筆記試験の点数を事前に知っていると、それが候補者を見るときの基準になってしまうことがあります。

さらに、いったん「優秀そうだ」「この仕事には合わなそうだ」といった印象を持つと、その見方に合う情報を集めやすくなります。ここからは、最初の考えを裏づける情報に注目しやすい確証バイアスへとつながっていきます。面接が候補者を多面的に見る場ではなく、最初の印象を確認する場になってしまう危うさについては、面接だけで人を見極められない理由でも触れています。候補者の自己申告をどこまで受け取るかという観点は、自己PRはどこまで信頼できるのかもあわせてご覧いただくと整理しやすいはずです。

④ バイアスを「注意」だけでなく仕組みで補う

こうした偏りは、面接官が意識するだけで完全に防げるものではありません。必要なのは、判断を個人の注意力だけに任せない工夫でしょう。

たとえば、候補者ごとに質問を大きく変えるのではなく、職務に必要な能力や行動に基づいた共通の質問を用意します。評価する項目と、それぞれの点数の基準も事前にそろえておくと、「何となく良かった」という印象だけで評価することを避けやすくなります。こうした進め方は「構造化面接」と呼ばれ、面接ごとのばらつきや偏りを抑える方法として研究でも知られています。

複数の面接官が参加する場合も、話し合う前に、それぞれが独立して評価を記録しておくことが大切です。先にほかの面接官の意見を聞くと、その評価に引っ張られてしまうことがあるためです。

そして、適性検査など面接以外の情報は、面接で抱いた印象を確かめるためではなく、別の方法で得られた独立した情報として扱います。それぞれの情報を独立して確認したうえで、最終的な判断材料として組み合わせることで、一つの印象に偏らない判断につなげやすくなります。この「別軸で組み合わせる」考え方は、適性検査と面接は別物でも詳しくご紹介しています。

まとめ

最後に、要点を整理します。

  • 面接の評価は、候補者の受け答えだけでなく、順番や比較、面接官それぞれの評価傾向にも左右されやすい
  • バイアスは知識として理解していても、注意するだけでは完全には防ぎにくい
  • 質問や評価基準をそろえ、適性検査など面接以外の情報も別軸で組み合わせて判断することが大切

バイアスをゼロにすることは難しいものです。だからこそ、一人の主観だけに頼らず、複数の面接官がそれぞれ独立して評価した結果や、面接とは別軸の情報を組み合わせていくことが、納得感のある採用判断につながっていくでしょう。

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大切なのは、検査だけで合否を決めることではありません。面接と適性検査をそれぞれ独立した情報として確認したうえで、バイアスに引っ張られずに候補者を多面的に理解するための材料として組み合わせてお使いいただけます。

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