外向型・内向型とは?採用で「コミュ力」と混同しないための基礎知識

外向型と内向型をコミュニケーション能力と区別して考えるイメージ
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「あの人はコミュ力が高いから外向型だ」

採用の現場では、こうした言葉が自然に交わされます。

けれど、外向型・内向型と「コミュ力」は、実は同じものを指しているわけではありません。本記事では、外向型・内向型とは何かを整理しながら、面接の印象に引っ張られずに候補者を理解するための見方を考えていきます。

外向型・内向型とは何か

外向型・内向型という考え方は、精神科医のユングによって広く知られるようになりました。ユングは、関心が自分の外側に向かいやすいのか、内側に向かいやすいのかという「心の向き」に注目しました。外向型は関心が外の世界(人や活動)に向かいやすく、内向型は自分の内面(考えや感情)に向かいやすい、という考え方です。

その後、外向性はさまざまな性格理論のなかで研究され、現在は「ビッグファイブ」と呼ばれる5つの性格特性のひとつとして扱われています。ビッグファイブは、外向性のほかに、協調性、誠実性、神経質傾向、開放性を加えた5因子で人の傾向をとらえる枠組みで、性格を記述するモデルとして広く使われています。ユングの類型論とビッグファイブは関連する概念ですが、同じ理論というわけではありません。

ここで押さえておきたいのは、外向型か内向型かは「どちらかにきれいに分かれる」ものではない、という点です。多くの人は外向的な面と内向的な面の両方をあわせ持ち、その中間あたりに位置します。はっきり二つに分けられるわけではありません。つまり外向・内向は、白か黒かではなく濃淡のあるグラデーションだと考えるとわかりやすいでしょう。こうした「傾向としての特性」の見方については、性格特性とは何かもあわせてご覧いただくと、土台が整理しやすいはずです。

外向型は「コミュ力が高い」という意味ではない

ここがいちばん誤解されやすいところです。外向型=コミュ力が高い、内向型=コミュ力が低い、と結びつけてしまいがちですが、両者は別の軸として考えたほうがよいでしょう。

外向型・内向型が表しているのは、人との関わり方や活動性、外からの刺激に対する好みなどに関係する性格傾向です。心理学者のアイゼンクは、その背景を脳の覚醒水準の違いから説明しようとしました。内向型の人は脳が刺激を受け取りやすい状態にあるため、強い刺激をあえて求めず控えめに過ごしやすい一方、外向型の人は刺激が不足しがちなので、人と関わる場や活発な活動を求めやすい、という考え方です。あくまでひとつの仮説ですが、外向・内向の違いが「社交スキルの優劣」ではなく「刺激との付き合い方の傾向」だと考えると、腑に落ちやすいのではないでしょうか。

一方で「コミュ力」と呼ばれているものには、相手の話を聴く、わかりやすく伝える、状況に応じて関わり方を変えるといった、経験や訓練によって磨かれる複数のスキルが含まれます。ですから、内向型でも聞き上手で信頼を得るのが得意な人はいますし、外向型でもよく話す一方で要点が伝わりにくい人もいます。にぎやかで明るい印象を「コミュ力が高い」と受け取ってしまうと、実際のやり取りの質を見誤ることにもなりかねません。

採用では「合いやすい環境」を考える材料に

採用に引きつけて考えると、注意したいのは、面接という場が外向型に有利に見えやすいということです。初対面で物おじせず、明るくよどみなく話す候補者は、それだけで好印象を持たれやすいものです。けれどそれは、必ずしも仕事の力そのものを表しているとは限りません。第一印象の良さに引っ張られてしまう傾向については、面接だけで人を見極められない理由でも触れたとおりです。

大切なのは、外向型・内向型を「どちらが優れているか」で見ないことです。求められる役割によって、力を発揮しやすいスタイルは変わります。人と次々に関わる場面で持ち味が出やすい人もいれば、一人で考える時間を確保することで力を発揮しやすい人もいます。同じ人でも、置かれる環境によって力の発揮度は変わってきます。これはストレス耐性の話とも重なる視点です。

ですから、外向・内向の傾向は、「向いている/向いていない」とふるい分けるためではなく、その人がどのような環境や任せ方であれば力を発揮しやすいかを考えるための材料として活かすのが現実的でしょう。配属やチーム編成、フォローの仕方を考えるうえで、こうした傾向を知っておくことは役に立つはずです。

まとめ

最後に、要点を整理します。

  • 外向型・内向型は、もともと心のエネルギーの「向き」に注目した分け方で、現在はビッグファイブの外向性として位置づけられている
  • 外向・内向は白黒ではなくグラデーションで、両方の面をあわせ持つ人も多い
  • 外向型=コミュ力が高い、ではない。外向・内向は「刺激との付き合い方の傾向」、コミュ力は磨かれるスキルで、別の軸として見たほうがよい
  • 面接では外向的な振る舞いが好印象につながりやすいため、印象だけで判断しないことが重要。力を発揮しやすい環境を考える材料として活かす

外向型・内向型を優劣で見るのをやめると、候補者一人ひとりの持ち味が見えやすくなり、配属や育成の判断にも役立つでしょう。

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