「面接だけで、これまでやってこられた」――それでも迷うのはなぜでしょう
採用がうまくいっていない実感はあるけれど、適性検査を入れるべきかどうかは決めきれない。そんな迷いを抱える方は少なくないでしょう。ここでは「入れるか、入れないか」を、何を基準に判断すればよいのかを整理していきます。
まず「何を解決したいか」から考える
適性検査の導入を検討するとき、「他社も使っているから」「採用に役立つらしいから」といった理由が先に立つことがあります。けれど、検査を入れること自体が目的になってしまうと、導入したあとに効果を実感しにくくなりがちです。
先に考えたいのは、自社の採用で「一番困っている場面」はどこか、ということでしょう。入社後にミスマッチが起きて早期離職につながっている、面接での見極めに手応えがない、面接官によって評価がばらつく――困りごとの中身によって、検査が役立つかどうかは変わってきます。
たとえば「面接だけでは候補者の傾向がつかみきれない」という悩みであれば、面接とは別の角度から人物を捉える材料として検査が働きやすいでしょう。反対に、応募数そのものが足りないという課題であれば、それは検査ではなく募集の設計で解いたほうがよいかもしれません。導入を判断する前に、まずは今の採用で一番困っている場面を一つ挙げ、その課題に検査が役立つのかを考えてみることをおすすめします。
判断でつまずく心理――「今のままでよい」と「入れれば安心」
導入するかどうかを決める場面では、いくつかの思い込みが入り込みやすいものです。
一つは、現在のやり方を続けやすくなる傾向です。サミュエルソンとゼックハウザーの研究では、選択肢に「現状」が設定されていると、その選択肢が選ばれやすくなることが示されています(William Samuelson & Richard Zeckhauser, “Status Quo Bias in Decision Making,” 1988)。これは「現状維持バイアス」と呼ばれます。採用の場面に置きかえると、「これまで面接だけでやってこられたのだから、無理に変えなくてもよい」と感じやすくなる、ということでしょう。
もう一つは、その反対側にある思い込みです。導入を決めたあとに「適性検査を入れたのだから、採用の失敗はもう防げる」と期待しすぎてしまうことがあります。検査はあくまで判断材料の一つであって、それ単独で採用の成否が決まるわけではありません。
導入しないことにも、導入することにも、それぞれ別の思い込みが入り込みうる、ということです。大切なのは、慣れや安心感で決めるのではなく、自社の課題と、検査に何を期待するのかを基準に判断することでしょう。
導入前に知っておきたい、失敗しやすい3つのケース
導入そのものより、導入したあとの使い方でつまずくことがあります。あらかじめ避け方を知っておけば防ぎやすい、代表的な3つを挙げます。
一つ目は、検査結果だけで合否を決めてしまうケースです。ある尺度の数値が低いというだけで機械的にふるい落とすと、面接でしか見えない良さを取りこぼしてしまいます。検査結果は合否判断の材料の一つにはなりますが、それだけで決めるものではありません。この点は適性検査は合否を決めるものかでも詳しく触れています。
二つ目は、面接の「答え合わせ」に使ってしまうケースです。検査結果を先に見て、その通りかどうかを面接で確かめようとすると、面接が事前の見立てをなぞる場になりやすくなります。検査と面接は、それぞれ別の角度から人を捉える別軸の情報として扱い、検査結果に面接を合わせるのではなく、双方の情報を踏まえて総合的に捉えることが大切です。もし結果と印象が食い違ったときは、どちらかを正解とせず「なぜズレるのか」を考える場面と捉えると、理解が深まります。
三つ目は、結果の活用方法を決めないまま導入してしまうケースです。検査を実施して結果を受け取っても、誰が、いつ、何のために見るのかが決まっていなければ、活用されずに終わってしまいます。面接の準備に使うのか、採用判断の材料にするのか、入社後の配属や育成に活かすのか。利用する場面を導入前に決めておくことで、検査は初めて役立つものになります。検査で何がわかり、何がわからないのかをあらかじめ押さえておくと、期待と実際のズレも防ぎやすいでしょう。
導入するのであれば、「面接とは別軸で、判断材料の一つとして使う」という位置づけと、結果を活かす場面を社内で共有してから始めることをおすすめします。
まとめ
最後に、要点を整理します。
- 導入を判断する前に、自社の採用で「一番困っている場面」を言語化し、その課題に検査が役立つのかを先に考えることが出発点になります。
- 判断には思い込みが入り込みやすいものです。「今のままでよい」という現状維持の傾向にも、「入れれば安心」という過信にも注意し、課題と検査の役割を基準に決めるとよいでしょう。
- 導入後は、検査結果だけで合否を決める・面接の答え合わせに使う・活用方法を決めずに導入する、という3つのつまずきを避けることが大切です。
適性検査を導入するかどうかは、「便利そうだから」ではなく、自社の課題と、検査に任せる役割から考える判断です。入れると決めたなら、次は選考フローのどこに置き、誰がいつ結果を見るかを設計する段階に進みます。実施タイミングの考え方は適性検査はいつ実施するべきかで整理していますので、あわせてご覧ください。
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SurveyYOUでできること
SurveyYOUは、性格特性やコンピテンシー、思考タイプなど、複数の視点から人物理解を支援する適性検査です。合否を機械的に決めるためのものではなく、面接とは別軸で、候補者を多面的に理解するための補完データとして活用いただけます。導入を検討する段階でも、まずは実際の結果を見て、自社の課題に合うかを確かめることが判断の助けになるでしょう。

