性格検査の結果を「評価」と受け取ってしまう学生たち
「内向型と出たから、自分はダメだ」――検査結果を優劣の判定として受け取ってしまう学生は、少なくないでしょう。
学生に自己分析がなぜ必要かはなぜ今、学生に「自己分析」が必要なのかで整理しました。
本記事では、その自己分析を支える一つの方法として、適性検査をどう位置づけるかを一緒に考えます。
なぜ適性検査は「評価される道具」と誤解されるのか
はじめに、ひとことお断りしておきます。
適性検査には知的能力を測るものもありますが、この記事では主に、性格や行動の傾向を振り返る検査について考えます。
こうした検査が「評価される道具」と受け取られやすいのには、理由があるでしょう。
学生たちはこれまで、入試や定期テストのように「点数で測られる」場面を数多く経験してきました。
その感覚がそのまま持ち込まれると、性格を見る検査の結果も「合格・不合格」や「優れている・劣っている」の物差しとして読まれてしまいます。
けれども、性格や行動の傾向は、それ自体に優劣があるわけではありません。
同じ傾向でも、場面によって強みにもなれば、気をつけたい点にもなります。
冒頭の学生が口にした「内向型」も、劣ったタイプではないのです。
一人で集中して物事を深める力や、相手の話をじっくり聴く姿勢は、内向的な傾向と結びつきやすい強みでしょう。
外向的な傾向にも、初対面の人と打ち解ける力や場を盛り上げる力といった強みがあります。
どちらが上ということではなく、力を発揮しやすい場面が違うだけだと考えたほうが、実態に近いはずです。
ここで扱っている性格や行動の傾向を見る検査は、学生を選別したり順位づけたりするためのものではありません。
点数で人を測る道具ではない、という前提を先生と学生が共有できると、結果の受け取り方も大きく変わってくるでしょう。
適性検査を「自己理解の鏡」として使う
では、評価でないとすれば、検査結果は何なのでしょうか。
ここで誤解しやすいのですが、自己分析型の性格検査は、第三者が本人を外から評価したものではありません。
あくまで本人の回答を、一定の枠組みに沿って整理したものです。
自分が答えた内容を、いつもとは違う角度から並べ直して見せてくれる、と捉えるとわかりやすいでしょう。
この「整理して見直す」という点に、検査の値打ちがあります。
自分の回答を枠組みに沿って眺め直すことで、ふだんは意識していなかった自分の傾向に気づくきっかけが生まれます。
自分自身のことは、よく分かっているようでいて、経験や思い込みの影響もあり、客観的に捉えるのは簡単ではありません。
自分一人の内省だけでは、見えにくい部分が残ることもあるでしょう。
だからこそ、検査結果は「自己理解の鏡」にたとえられます。
ただし、その鏡は本人のすべてを正確に映し出すものではありません。
検査結果は、あなたはこういう人だと決めつける答えではなく、自分を別の角度から見直すための鏡です。
鏡に映った姿を手がかりに、「自分では実際どうだろう」と考え始められること。
そこに、自己理解の出発点としての意味があるのではないでしょうか。
(自己分析を進路の出発点に置く考え方は、なぜ今、学生に「自己分析」が必要なのかでも詳しく触れています。)
検査結果を決めつけにしないための先生の関わり方
鏡として活かせるかどうかは、先生の関わり方に大きく左右されます。
結果を見て「あなたは内向型だね」と先生が断定してしまうと、学生はその言葉を結論として受け取り、自分で考えるのをやめてしまうことがあります。
そうではなく、結果を本人に問い返す入口として使うことをおすすめします。
たとえば、「結果を見て、自分ではどう感じましたか」「当てはまると感じた場面はありますか」「この特徴が活かせそうなのは、どんな場面でしょうか」といった問いかけです。
こうした問いは、学生が自分の言葉で自分を語り直すきっかけになります。
自己理解の主役は、あくまで学生本人なのです。
そして、特性から進路を直接決めつけないことも大切でしょう。
「内向型だからこの仕事」と結びつけるのではなく、本人がどんな環境や関わり方なら力を発揮しやすいかを一緒に考える。
その視点に立てば、検査結果は学生を狭い枠にはめるものではなく、選択肢を広げる材料になります。
なお、先生の見立てと検査結果が食い違って見えることもあるでしょう。
そのときも、どちらが正しいかを決める必要はありません。
「なぜそう見えるのだろう」と一緒に考えること自体が、学生の理解を多面的にしてくれるはずです。
まとめ
最後に、要点を整理します。
性格や行動の傾向を見る検査は、点数で人を測ったり、優劣を判定したりするものではありません。
内向型・外向型といったタイプにも良い悪いはなく、力を発揮しやすい場面が違うだけだと考えられます。
検査結果は、本人の回答を別の角度から整理し直した「自己理解の鏡」であり、決めつけの答えではありません。
そして、その鏡を自己理解に活かすには、先生が結果を結論として手渡すのではなく、学生本人に問い返す入口として使うことが大切でしょう。
検査を「評価」ではなく「自分を見直す材料」として手渡すこと。
その姿勢が、学生が自分を前向きに理解し、進路を自分の言葉で語れるようになる支えになるでしょう。
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コアスキルでできること
コアスキルは、学生を順位づけするためではなく、性格や考え方の傾向を言葉にして、自己理解や進路指導に活かすための学生向け自己分析診断テストです。
8つの性格タイプや社会人に求められる力(社会人基礎力)の傾向がわかり、学生自身の自己PRや面接・ES対策に、先生にとっては面談の材料として活用いただけます。
結果は学生を評価するためのものではなく、一人ひとりが力を発揮しやすい進路を考えるための材料として役立つでしょう。

